Norbert Bolz(1953〜)

up!!★ノルベルト・ボルツ「人間の後には何が来るのか」(原書2003年、壽福眞美訳、『人間とは何か−その誕生からネット化社会まで』所収)、法政大学出版局
かつて人間は、人間の本質への問いに答えるために、神々をこしらえたが、今日ではロボットをつくっている。残された問い、計算機は思考できるのか、命題を理解できるのか、感じることができるのか、が意味をもつのは、人間とコンピューターの機能的等価物への問いとしてだけである。今日では人間は自分自身への問いを、コンピューターの助けを借りて提起する。兄弟ロボットは、ゲシュタルトとしての人間への問いである。もっと客観的にまとめると、人間が徹底して技術的な存在であるという認識は、ロボットにおいてゲシュタルトへと生成する。我々はロボットを構築することによって、自己認識という解決できない課題を、ヴァレリの意味で数学的なイメージと取り替えているのだ。哲学者は技術にたいする不安を取り除けるとしても、それによって彼らは、思考についての思考が二五〇〇年来虚しく格闘してきたものが、この数学的形象のなかで提示されていることを見ることになろう。
引用者註
ゲシュタルト(gestalt):形態。
ヴァレリ:ふつうはポール・ヴァレリー。主な論考は、岩波文庫と平凡社ライブラリーの訳書があり、安価で手に入る。